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小さな居場所

義母との同居を機に、都会から移り住み、新しい生活を始められた女性からご相談をいただきました。

リサーチにお伺いすると、住まいそのものを大切にされていることが伝わってくる空間でした。 良い家だと感じました。 綺麗とか高級とか、そういうことではなく、人の意志のようなものがあちこちに残っている家でした。

また、家が整っていることと、自分の居場所があることは少し違うのかもしれないと思います。

その中での、ご自身の居場所についてのご相談でした。


これまでは、そこにあったチェアとデスクを使い、ラップトップPCを開いて趣味の時間を過ごされていました。

「特に困っているわけではない」

そう言われていました。

和テイストの住宅にも馴染むシンプルなスタイルを気に入っていただいたことも、ご相談のきっかけでした。

実際、生活はちゃんと成り立っています。

家を整え、日々の暮らしを支える人ほど、家全体のことを考えているように見えて、その中で自分のための場所は後回しになることがあります。

今回のご相談は、そういう小さな場所についての話だったのかもしれません。


楽しいときも、お疲れのときも、少し身体を置いて、自分のペースに戻れる場所。

今回はそんな小さな書斎コーナーを目指しました。

まずは身体に合わせたチェアから始めました。

深く腰掛けてもらった状態で、脚の血流が妨げられないかを確認します。

自由に使っていただきながらも、ふと身体を戻せる位置がどこにあるかを探っていきます。


デスクは引き出しのないシンプルな小さなものにしました。

家具は建築の一部ですが、一つの建築の中だけに閉じるものではないと思っています。

今の空間だけでなく、暮らし方や住まいが変わったときにも、自然に使い続けられることを考えました。

曽我が合板で実物大のサンプルを作り、身体に合わせたチェアに座っていただきながら、お客様と一緒に確認していきました。


今回はoriri mfgのラップトップスタンドも組み合わせ、視線の位置や作業性も調整しています。

暮らしは少しずつ変わっていきます。家も、人との関係も、自分の状態も変わっていきます。

それでも今回のデスクとチェアが、その方の小さな居場所として、一緒に動いていけたらと思います。


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